膣がん(ちつがん)
不正出血の症状がでる病気「膣がん」
膣がんとは
腟がんが婦人科がんに占める割合はわずか1%程度です。
膣がんは主に45歳以上の女性に発生します。診断時の平均年齢は60~65歳です。
腟がんの95%以上は扁平上皮がんです。腟の扁平上皮がんは、尖形コンジローム(性器いぼ)や子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスが原因で発生することがあります。
膣の表面は粘膜でおおわれていて、この粘膜からがんが発生し、進行すると表面や粘膜の下の筋肉に拡がり、さらには周囲の臓器まで拡がる事もあります。
膣がんのほとんどは続発性と言われており、膣に認められるがんはそのほとんどが体の他の部位、例えば結腸、子宮、胃などから拡がったものです。
膣がんの症状
最も多くみられる症状は不正出血で、性交中や性交後、月経期以外の時期、閉経後などに出血がみられます。
腟粘膜にただれが生じることもあり、そこから出血や感染を起こすこともあります。その他の症状としては、性交の際に水っぽいおりものがみられたり、痛みを感じることがあります。
症状がまったく現れないこともまれにあります。がんが大きくなり膀胱を圧迫すると、頻繁に尿意を感じたり、排尿痛が起きたりします。
進行がんでは、腟と膀胱または腟と直腸の間に、瘻(ろう)と呼ばれる通路ができてつながってしまうことがあります。
膣がんの診断と治療
腟がんは、症状、通常の内診で発見された病変、パップスメア検査の結果の異常などが手がかりとなって発見されます。
治療は病期によって異なります。
腟がんのほとんどでは手術が治療の第一選択肢となり、手術とともに放射線療法を行う場合もあります。放射線療法には、内部照射治療(腟内に放射性物質でできた小線源を入れる方法)と外部照射治療(体外から骨盤部に照射を行う方法)があります。
放射線療法はがんの切除と同時に行うこともあれば、切除後に行うこともあります。
腟の上部3分の1に発生したがんでは、腟の上部に加えて子宮と骨盤内リンパ節の摘出が必要になることがあります。非常に進行したがんでは手術ができないことも多く、その場合は放射線療法と化学療法を行います。
腟がんの手術後に、皮膚や腸の一部を移植して腟を新たに再建することもありますが、性交は困難であったり、不可能なこともあります。
生存率はがんの病期によって異なります。
癌が腟だけに限局している場合、診断から5年後の生存率は約65~70%です。
癌が骨盤外や膀胱、直腸に転移している場合は生存率が大幅に下がり、約15~20%となります。